Onaga Houseができるまで


 「地域に開かれた、小さいけれど大切な体験を誰かが積み重ねられる温かみのある『巣』にしたい」 


そんなオーナーのひとことからシェアスペースとしての改修が決まりました。


 孤立しがちな時代に、誰もが優しく手を差し伸べる場所にしたい。
 すべての人たちが安心できる居場所があって、
 つながりがあって、
 笑顔があって、
 すべてが調和している。

 

そんな思いを込めながら、ほぼDIYで作ったのがOnaga Houseです。


20年間、空き家だった


Onaga Houseとして改修した物件は、1970年代のオイルショック直前に建てられたオーナーの実家です。

母がいなくなった約20年前に譲り受けました。

 

ずっと物置や 一時的な親族の住まいとして使われたりの「ほぼ空き家状態」で、中も手入れしないと活用できない状態でした。 

更地・売却も検討しましたが、造りはしっかりしているし何より思い出の場所。

「ひとが集まる場所といて活用してほしい」

それが母とオーナーの思いでしたが、周囲から家の再活用を反対されていました。

駅近で利便性が高く国内のヒノキ材を使った家なので、取り壊すのも賃貸アパートにするのもつまらないし何か活用方法がないかと模索していました。


「地域に開かれた、小さいけれど大切な体験を誰かが積み重ねられる温かみのある『巣』にしたい」


メーカーを早期退職して、子育ても落ち着いてきた頃、オーナーは障害がある人たちの生活の足掛かりとなる道具を普及させるため、あるビジネスコンテストに参画しました。

そこで運営者の倉持さんと出会います。

 

彼は、障害がある人やその家族がコーヒーを通じて地域に開かれたコミュニティが運営できる場所を探していました。

二人は、どんな人も小さな挑戦ができる居場所づくりについて話し合い、2020年12月にシェアキッチン・スペースを作るアイデアが出てきました。 


空き家を「ひとが集まる場所」へ


2021年7月、資金もなく2人でコツコツとDIYで改修工事は始まりました。

しかしキッチン/居間/2階/2部屋の居室/配管と改修範囲が広く、休日を活用しても改修はなかなか進みません。

 次第に時間の確保が難しくなった頃、1つの新聞記事が目に入りました。

空き家の改修作業を活用して、仕事と住む場所に困っている方々を支援しているRenovate Japanという会社の記事でした。


シェルター機能への拡大


2021年9月から、Renovate Japanとの共同改修となりました。

DIYでひとが住める状態まで居室を改修し、居室改修後に仕事や住む場所に困っている人に「バイト付きシェルター」として利用してもらい、家賃は残りの改修作業への参加(週3時間程度)で支払うという仕組みです。

まもなく「シェルター」の方も参加し半年かけてOnaga Houseの改修は進みました。

2022年6月に飲食店営業許可も取得できましたが、現在もガウディのサグラダ・ファミリアのように改修は続いています…